『涼宮ハルヒ』のリアリティ。
もちろん、じっさいにはハルヒみたいな性格はありえないんだけれど、かんでさんのいう通り、深いところでリアリティを感じるところはあります。
ハルヒのような人間性のもち主はいなくても、ハルヒと同じような孤独を抱えているひとはいないわけではない。
そこらへんのリアリティが、一見するとただのご都合主義のライトノベルに過ぎない『涼宮ハルヒの憂鬱』を支えている。
多くの平凡な日常に甘んじている少年たちにとって、ハルヒはヒロインというよりむしろヒーローなのかもしれません。
ただ、甘やかされたヒーローですよね。彼女は本当の意味で人間性の孤独と向きあってはいない。SOS団によって保護されていて、一時的な幸福に浸っている。
そこらへん、甘ったるい話だな、と思わないこともない。ただ、その甘ったるさがあの作品の魅力なのであって、一概に否定できるものではないとも思いますが。
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 文庫
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