星の瞳レス

少し間が空いてしまって申し訳ないです。

当初の構想では真理子が主人公だったそうですから。

 そうだったんですか。あれ、でもどこかでその話を聞いたことがあるような気もする。少女マンガ特有の各回冒頭の著者挨拶か何かで触れられていたんでしたっけ。

そうです、そうです。
「りぼん」の連載漫画は毎回冒頭に前回までのあらすじと登場人物紹介が入るのですが、単行本化の際にはそのスペースに作者のコメントが入ったりします。「星の瞳のシルエット」の場合は、まず登場人物紹介から始まるのです。で、2巻の冒頭に真理子の紹介があって、その中で語られていました。
 あと、文庫版6巻の最後に作者あとがきがあるのですが、そこでも触れられていたりします。
 とはいっても、本当に「最初は真理子が主人公だった」という情報しかないので、一体どんな設定だったのかはわかりません。ちょっと気になるところですね。

 柊あおいさんの初期短編(「乙女ごころ・夢ごころ」に一作を除いて収録されていたはず)の傾向を見ても、どちらかというと香澄ちゃんっぽい女の子ばかり出てきてますし。「乙女ごころ・夢ごころ」の千帆は割と元気な印象があったかなぁ、というくらいで。あとはみんな物静かな子だったと思います。
 ちなみに余談ですが、私が最初に読んだ柊さんの作品は「魔法のとけたプリンセス」という演劇部の女の子の話でした。すごく地味な性格の女の子が主人公なんですけど、その地味な女の子が「地味」というレッテルを貼られるのでなく、自然に物語世界で生きている独特の雰囲気が印象に残ったのを憶えています。なんかこの人の漫画はいいぞ、と思ったのですよね。

 この文を見て思い出したのですが、料理クラブで真理子ちゃんが窓の外の久住くんを見ながら料理をして沙樹ちゃんから怒られた直後に、香澄ちゃんも「なぜか」よそ見をしていて何かの分量を間違え、沙樹ちゃんに想いをさとられるというシーンがありましたね。このシーン、好きです。

 ほとんどの人がそうだと思うのですが、自分にとって重要なことほど口には出せなくなるんですよね。香澄ちゃんが久住くんへの想いを誰にも伝えられないように。 

 ありましたねぇ。私もそのシーン好きですね。

 自分にとって重要なことほど口には出せなくなること、ありますよねぇ。
 香澄ちゃんの久住くんへの想いの重さ、というのは、物語全編を通して伝わってきます。
 それがまさに、この物語の最大の魅力の一つなんだと思います。