隣のハルヒ。

 一緒にハルヒがいたらということは想像したことがなかったですね。今も想像できません。ハルヒについては「ただの人間には興味ありません」が印象に残っているのですが、現実にこの科白が成立するかというと、成立しないんですよね、多分。ただの人間に興味がなかったら、そもそもこの科白を言う意味がないですからね。それから、「ライブアライブ」の最後の場面では、確か木の下に寝転がっていたと思うんですが、あれも視聴者に寝転がっているところを見せたいから寝転がるんであって、現実的には寝転がる理由がない。

 ハルヒが存在することのできる空間は読者や視聴者に見られている物語の中だけで、現実には存在できないですよね。少なくとも私には隣にハルヒがいる状況を想像することができないです。

 おそらく、想像できる人というのは、うまい具合にハルヒの世界とこの現実との折り合いをつけているのだと思うのですが、どうやるんだろう。

 それから、例えばサッカーの中田みたいな人が隣にいることも想像できないですね。私の知っている中田というのはあくまでテレビの中の物語に吸収されてしまった中田であって、現実の中田ではないんです。