証明終了。

タイム・リープ」の中でも特に印象に残っているのは、若松くんの挿話ですね。本筋とはあまり関係ないので書いてしまいますけど、球技大会の参加競技を決めるときにクラスがもめるんですね。「俺はこの競技には出たくない」とか「私はあの人とは一緒じゃ嫌だ」とか、口々にクラスメイトたちが勝手なことを言って、学級委員を困らせるんですね。それで、もう決まらないだろうと思われた頃に、若松くんが「さっさと終わらせようぜ」みたいなことを言うんですね。で、次々と若松くんは黒板にクラスメイトたちの名前を書き込んでいく。途中まで書いた頃にはクラスメイトたちも気づいているんですね。若松は、全員の要望を満たす解答を黒板に書き込んでいるのだと。

 これ、できるものならやってみたいですよ。数式一本書くだけで世界を変えてしまうような、そういうことをしてみたいですね。海燕さんは「ヒーロー」を求めているようですが、私は「天才」を求めているんです。

 理想の天才像は「Q.E.D.」の主人公ですね。マサチューセッツ工科大学を退学し、なぜか日本の普通の高校にいる15歳の少年。毎回事件に巻き込まれてその都度推理を披露するけど、探偵気取りでいるわけでもない。天才は世俗的な価値観で動いてはいけないんですよ。

Q.E.D.証明終了(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(1) (講談社コミックス月刊マガジン)