ヒーローが好き。
たしかに、『タイム・リープ』はおもしろかったなあ。
ああいう時間パズル小説は、SF的にはそれほど珍しいものではないのですが、やはりあれは出色の出来だと思う。ひとつのピースものこさずパズルがたたまれて行くことの、えもいわれぬ快感。
同系統の作品としては、ハインラインの『夏への扉』とか、広瀬正の『マイナス・ゼロ』が有名だけれど、『タイム・リープ』のほうが出来が良い。
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一応、タイム・リープ現象に巻きこまれた女の子の視点で語られるわけだけれど、明らかに真に主人公は若松ですね。怜悧な知性と、不器用な優しさ。
結局、ぼくは物語にヒーローを求めているのだと思う。ヒーローといっても、「正義の味方」みたいなものじゃなく、「生き方の理想」といえばいいか、こういうふうになりたい、と思わせるような人物。
そういうキャラにこそ、「萌える」。でも、ひとがいう「萌え」とは意味が違うかもしれないですね。